農業食料工学会

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学会概要

会長挨拶

農業食料工学会長 内野敏剛

農業食料工学会長 内野敏剛

平成27年度から2年間学会長の大任を務めさせて戴くことになり、身の引き締まる思いでおります。前会長の大下誠一先生は任期中に学会の大改革に着手され、見事にやり遂げられました。すなわち、学会名称の「農業機械学会」から「農業食料工学会」への変更であり、部会制のスタートであり、産官学連携の具体的動きです。これらは学会始まって以来の大改革で、本学会を大きく前進させようとするものであります。既にこの効果は徐々に出てきているようで、例えば、部会主催のシンポジウムは学会員外の参加者が会員を上回り、学科外への発信が良い形でできるようになってきております。この大下路線は新体制になっても力を入れて継承していく所存であり、これらを完全に軌道に乗せ、発展させることが新体制としての使命の一つと考えております。一方で、また新しいことにも着手してかなければなりません。

農業食料工学会は何をなすべきでしょうか。農業食料工学会会則第3条によりますと、本学会の目的は「農業機械、農業機械化、農業施設及び食料・生物資源の工学的処理等、農業食料工学に関する学術の進歩発展を図ること」とされています。このために、学会誌の発行や講演会の開催等を行っている訳であります。講演会では、学会員は研究発表の場を提供され、専門性の高い会員との間の討議により内容をより高度にするとともに、学術情報として出席者に伝播し、学術の進歩発展を促します。また、学会誌は読者への情報の伝達により学術の進歩発展に寄与しております。

会則は非常にシンプルに目的を言い表しておりますが、将来を考えたときには「教育」もこの「学術発展への寄与」という目的の中に包含されるかと思われます。また、会則からは読み取りにくいのですが、目的には「社会還元」が内包されていると考えております。現在私たちの学会がどのような活動を行っていて、それによってどのような成果が得られたか、得られた成果が完成されて社会に役立つものであればもちろん、まだ中途であっても社会に向けて広報し、還元していかなければならないと存じております。企画委員会が開催するフーテックフォーラムは多くの非会員が参加し、強い関心を持たれておりますが、参加されている非会員の中には農業食料工学会のことをよくご存じない方もおられるようです。農業食料工学会はもっと多くの人に認識してもらえるよう広報していく必要があると強く思うところです。多くの人に私たちの学会の活動を知って頂き、活動内容を社会に還元していくのも目的であり、使命であろうかと思います。

農業食料工学会のなすべきことを考えるとき、農業問題は当然避けて通ることはできません。農業の現状は皆様よくご存じの通りかなり厳しい状況にあります。平成26年8月の農林水産省の「『攻めの農林水産業』の実現に向けた新たな政策の概要」によると、①農業生産額・農業所得の減少、②農業者の高齢化、③耕作放棄地の増加、④世界の食料需給のひっ迫基調が農業の現状として挙げられております。この問題を解決するため、農水省では【農林水産業・地域の活力創造プラン】を立て、①需要フロンティアの拡大、②バリューチェーンの構築、③生産現場の強化、④多面的機能の維持発揮を図る取り組みを進めるとされております。国内農業の現状をさらに書き下すと、後継者問題、生産者の高齢化、耕作放棄地の増加、低い食料自給率、TPPによる国内産農産物の競争力低下の懸念、農産物安全性や消費者からの信頼等の大きな問題を抱えております。上述の活力創造プランの遂行でこれらの問題を全て解消することは難しいとは思いますが、活力創造プランの多くは私どもの学会のテーマとも関係が深いため、学会として問題の解決に貢献していけるものと考えます。「新たな政策の概要」の具体的施策には「輸出促進」、「食の安全」、「消費者の信頼確保」、「加工・業務用野菜の生産流通体制強化」、「再生可能エネルギの活用」等が挙げられており、これらはまさに本学会の目的とする学術分野の範疇に入ります。これらの技術的要求には、学会員がこれまで積み上げてきた知見を利用し、会員が連携して発展させれば、十分に応答することができます。今、農業食料工学会に期待されるものは大きく、また、学会として期待に応えていかなければならないし、解決すべき責務を担っていると考える次第です。

農業食料工学会はまさに大きな変革を終え、飛躍の時を迎えていると言っていいかと思います。そのためには、まずは部会制を定着させ、学会の活性を高めていきたいと考えております。また、産官学連携委員会が募集した「10年後を見据えた技術・研究」にはいくつかの提案がなされ、学会が橋渡しをする産官学連携が産声を上げております。これらが実際に軌道に乗るまで学会としては情報や議論の場を提供し支援していく必要があります。また、学会名称を変更したことによる新たな学会活動の展開や新たな入会者の増加の期待も生まれようかと思います。改革が根付き、10年後の農業食料工学会が大いに発展することを夢見、そのための基礎を少しでも固めることができるよう、微力を尽くしたいと考えております。会長としては何分力不足と存じますが、力の足りない分は皆様からのお力添えをお願いしながら、学会の運営に尽力したいと存じております。ご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

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沿革

 本学会は、農業機械、農業施設及び農業機械化に関する学術進歩を図ることを目的に「農業機械学会」として1937年に設立されました。以降、農業の機械化・近代化を進め、日本農業さらには世界農業の発展と食料生産に大きく貢献してきました。現在では約1,200名の会員を擁するに至っています。この間、幾多の社会情勢の変遷を経て、学会の活動領域はトラクタや田植機、コンバインといったいわゆる“農業機械”そのものに関わる研究開発から、センシング技術や電子制御、ICTの活用さらには環境やエネルギ、食料生産・流通に係わる技術分野の領域に活動範囲が拡大してきました。

 こうした対象領域における学術発展と学会活動の更なる活性化をねらいとして,76年続いた農業機械学会は、2013年9月から学会名称を「農業食料工学会」と改称して新たに出発しました。この改称をトリガーとして、機動性の高い学会活動に向けて“農業機械”、“食料・食品工学”、及び“IT・メカトロニクス”という3つの部会を立ち上げました。その他にも、学会活動活性化に資する様々なアプローチを模索しています。

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